「複業」と「副業」の違いは?

「複業」と「副業」の違いは?

すでに副業を始めている人が周りにちらほらいたりして、自分も副業をやってみたいな、と考えている人も多いのでは?

2018年には「副業・兼業の促進に関するガイドライン」が示されるなど政府も副業を普及・促進しています。

この2018年は「副業元年」と呼ばれて多くのメディアに取り上げられたのも記憶に新しいですね。

2021年のいま副業がいよいよ浸透してきたと感じることも増えました。

これは近年、副業が可能になる制度が整い始め、労働者側の副業への意識も高まっているから。

これまでは、ほとんどの企業が就業規則で副業・兼業を認めていませんでした。

しかし近年、副業を解禁する企業も増加中。

2019年に日本経済新聞社が大手企業を対象にして行ったアンケート調査によると、およそ5割の企業で副業を認めているといいます。

また副業希望者も増加しており、日本の大手企業に勤務する若手・中堅社員の7割以上が「兼業・副業に興味がある」と回答したという調査結果もあるほどです。

さて、副業に興味をもって調べていくと「副業」と「複業」の2つの表記があることに気づきます。

「副業」と「複業」、たった一文字の違いですが、なぜ字を変えているかというと、それぞれの考え方が違うからなのです。

その考え方の違いとは、何なのでしょうか。

知ることで副業に対するイメージが変わるかもしれません。

複業とは?考え方と定義

副業について興味をもったあなたは会社員?

もしそうなら、現状の会社員としての仕事にプラスして、どんなことをしたいとイメージしているでしょうか。

所属する企業での業務(ここでは便宜的に「本業」と呼ぶことにします)を主(メイン)として、副(サブ)の仕事を考えているなら、それは「副業」です。

対して「複業」とは、本業と並行してもうひとつの活動をすること。

どちらがメイン・サブということではなく、どちらも主業であるという考え方です。

主業とは、自分が主の立場で実践し、主体的に考え行動すること。

複業は「パラレルワーク」とも呼ばれていて、一般的には会社員がするものを指すことが多いです。

副業と聞くと、お金以外に何かのスキルを得るなどの目的をもたない、いわゆる「お小遣い稼ぎ」というイメージをもつ方がいるかもしれませんが、複業はそうではありません。

社員・アルバイトといった雇用形態の違いとか、労働時間や得られるお金の差で定義しているわけではありません。

もし一方の仕事の収入がほとんどなくても、あるいはプロボノやボランティアなどの無報酬でも意義をもって主体的に取り組んでいるのなら、それは「複業」だといえるのです。

会社員が複業をするとどんな変化が起きる?複業のメリット

会社員が複業した場合、もうひとつ有給の仕事に就くなら収入が増えるメリットがありますが、そのほかにどんなメリットがあげられるでしょうか。

1.離職しないで自分のキャリアを主体的に形成できる

描いているキャリアはあるけれど、会社員として働いていると希望通りの仕事が必ずしもできるわけではありません。

希望する仕事がどうしてもやりたいなら、転職することを考える人も多いはず。

でも、複業なら、本業で離職をしないまま別の場所で自ら選んだキャリアを築くこともできます。

2.本業では得られない経験やスキルを得ることができる

複業をすることでこれまで得られなかった経験をし、スキルを身に着けることができます。

逆に本業で得たスキルや知見を複業先で活かすこともできますね。

そうやってそれぞれの仕事に良い影響を与え合える好循環が生まれます。

3.収入源を分散させる、リスクヘッジに

もし一方の勤務先が倒産してしまったりしても、もうひとつの仕事で収入を確保できたり、そこからフリーランスとして独立することも。

また、複業として行ったチャレンジが万が一失敗しても、本業である会社員として収入を確保できていれば大きな安心につながります。

会社員が複業をするときの注意点&デメリット

あなたが会社員で複業を始めようとする場合、考えておかなければいけない注意点もあります。

1.複業で一定以上の収入があるなら、確定申告を

複業での収入が年間20万円を超える場合、確定申告をする必要があります。

会社員として働いている場合、確定申告をする必要のないことが多く、今までやったことのない人も多いはず。

手順や方法も確認しておきたいですね。

2.働きすぎに注意

今の会社員としての仕事に加えて、別の仕事が生まれるので、働きすぎの状態になってしまう可能性もあります。

トータルでの仕事のボリュームや増加時間を考慮して、働きすぎないように調整する必要が生じるかもしれません。

ちなみに、複数の企業に雇用される場合、労災認定にあたってはすべての労働時間を合算して残業時間を算出する方式に改められる見通しです。

これまでは、それぞれの企業での労働が残業時間ゼロなら、いくらトータルでの労働時間が長くても過労死ラインを越えて労働したと認定されませんでした。

しかしこれからは所属するすべての企業での労働時間が合算され、実状にそった労働時間が認定されることになります。

このように複業を行うには、留意する事項はいくつかあります。

しかし、複業は多くの学びを得て主体的にキャリアを構築し、自律的な社会人を目指せる取り組みです。

今後も広がるかも?副業を”複業”と呼んでいる企業

社員の副業を認める企業でも「複業」より「副業」と表記するところが大多数。

しかし「副業」ではなく「複業」と呼んで社員が本業以外の活動を行うことを応援している企業もあるんです。

複業の考え方が徐々に広まって、今後同じ志をもつ企業が増えるかも。

必ずしも「労働」だけが複業じゃない

「副業」と聞くと、まだまだお小遣い稼ぎのイメージが残っています。

でも「複業」の場合、得られるお金の多寡は問題ではありません。

経営学者のチャールズ・ハンディは、人生には4つの「ワーク」があると説明しています。

本業・副業も含む賃金を得る活動「有給ワーク」、家事・育児・介護などの「家庭ワーク」、趣味や学びなおしなどの継続的な学習「学習趣味ワーク」、ボランティアや地域・社会活動などの社会貢献活動「ギフト地域ワーク」です。

複業とは「有給ワーク」を2つもつことだけではありません。

会社員の方なら、本業のほかにボランティア活動をしたり、何かのスクールに通ったりすることも複業と呼べるのです。

いわゆる「仕事」として想像すること以上に、複業は幅広い活動を含んでいるんですね。

複業に興味をもったら

もしも今あなたが就業規則で副業を禁止している企業の会社員でも、地域貢献活動や興味のある分野を学ぶことは可能なはず。

まずは自分のやりたいこと・できること・複業することで達成したい目的を考え、あまりハードルを上げすぎずに、まずは一歩踏み出してみましょう。

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